歌声と鼻息のポリーニ


先週15日(金)に私の一番好きなピアニスト、M・ポッリーニのリサイタル@サントリーホールに行ってきました。

東京公演は15日&19日と2回あったのですが、私の行った日はショパン・プロ。チケット発売時点ではプログラムは未定だったので、発表された時には嬉しさ半分/悩ましさ半分って感じでした。(ちなみに19日は現音寄りのプロ)
どっちも行ければ一番良かったんですけれど、何しろポッリーニのチケットって高いんですよー。梶本儲け過ぎだと思うよ。

演奏曲目は以下の通りです
■プレリュード 嬰ハ短調 op.45
■バラード 第二番
■夜想曲 嬰ハ短調 op.27-1 <当日追加!>
■夜想曲 変ニ長調 op.27-2 <当日追加!>
■ピアノソナタ 第二番
■スケルツォ 第一番
■4つのマズルカ op.33
■子守唄 op.57
■ポロネーズ第6番 「英雄」

ステージに出てきたポッリーニは会場の四方に丁寧にお辞儀をしてから、即座に演奏スタート。
この日はご機嫌だったようで、最初のプレリュードこそ穏やかに始まったものの、バラード2番では気合いが入ると中腰、そして激しい鼻息のコンボ。
最新作のショパンの再録CDでは「鼻息まで入ってる!」とかレビューされてますが、そりゃ入るよな〜。あの激しさじゃ、ってレベルです。
ついにソナタ2番あたりになると歌い始めました。あの派手な第一楽章にあわせて明確にポッリーニの歌声が聞こえます。
後半に入ってもこれは変わらず、「英雄」なんか終止歌いっぱ(+鼻息)。ポッリーニとっても楽しそうです。
pollini
そしてアンコールはなんと5曲!
■エチュード 10-2「革命」
■バラード 第1番
■エチュード 10-4
■プレリュード 28-5「雨だれ」
■スケルツォ 第3番

70年代の神レベルのポッリーニと現在の円熟のポッリーニ、どちらも素晴らしいのは確かです。でもどちらが好き?と問われれば、どうしても70年代の彼を選んでしまうんですが、この日の演奏を聴いて、あ〜、もうどっちでもいいや。ポッリーニがこの先ずっと弾いてくれれば!としみじみ思いました。