さくらんぼは聖ヨハネ祭まで


”そんなミラノにはおかしな言いつたえがあって、それによるとさくらんぼは六月二十四日までに食べなくてはいけないのだそうである。その日を過ぎると中に虫が入るからなのだそうだ。その虫、小さな白いウジ虫(それもさくらんぼにだけつく虫なのだが)をミラノでは、「ジョアニン」と呼ぶ。「いる?」「なにが?」「あいつ」「ああ、ジョアニンのこと?」そんな会話が毎年、あきることなく交わされる。”
須賀敦子/『ミラノ 霧の風景』 ”さくらんぼと運河とブリアンツァ”より

読み返している最中の須賀敦子の本の一節です。
何だか、早くさくらんぼ食べなきゃ!って気になりませんか?
ちなみにジョアニンというのはジョバンニ(ヨハネ)の愛称なんですが、聖ヨハネ祭は6月24日。
だからこの日の前に食べちゃおうって事なんですね。
でもさ〜、いくら何でも聖人の愛称をウジ虫に使わなくてもいいと思うけどなあ。

で、早速昨日さくらんぼを買ってきましたよ。でも重大な事に気付きましたよ。
私、生のさくらんぼは苦手なんだ(笑)
思案してシロップ煮にすることに。
昨夜煮て、今朝マフィンに乗っけて食べました。
初夏満喫。
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さくらんぼは聖ヨハネ祭まで」への2件のフィードバック

  1. 日灼家

    さくらんぼの色身を鮮やかだと感じるのは日本人だからかなと思いつつ、初夏の訪れには気付かないまま。無為な旅行から帰国し、その道程を後から辿っていったときに須賀敦子著「トリエステの坂道」を初めて知り・・でも未だ手に取ることはなく。漸く、いい機会が訪れました。何事も自分にとってのタイミングがありますからね。ともあれ、ブレるんじゃなくて振れるってことは素晴らしいことだと思います。

  2. シホ

    >日灼家さま
    コメントどうもありがとうございます。
    確かに!タイミングって絶対ありますよねえ。
    そして更に、そのタイミングに気付けるか/気付けないかってのもあるんですよねえ。人生は深い…。
    「トリエステの坂道」は私もまだ読んでいないので、近日中に読もうと思います。こちらこそいい切っ掛けをありがとうございました。

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