R・デュリスに成長を見る


J・オディアール監督、R・デュリス主演の「真夜中のピアニスト」を見てきました。

J・オディアールは、監督デビュー作の「天使が隣で眠る夜」(原作が最高)を見た時に、ひゃー、フレンチなノワール来たー!と思った記憶があります。そのくせしてこの監督妙に柔らかなんですよ。なんだか矛盾してるんですけどね。

そんでもってR・デュリスは、一連のS・クラピッシュ作品がドッと日本公開されていた時期に「青さの残るハンサム素敵…」とスクリーンを見つめてぽわーんとしたものです。

憎からず思うそんな二人の作品です。勝手に期待度高まるじゃないですか(どっちも最近の作は見てないくせにな)。
で、予想以上にとても良かったです。この作品。

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何よりもびっくりしたのがR・デュリスの役者っぷり。
デビュー当時の彼は「もう、いてくれるだけでいい。演技とか関係ないし」系だったような気がします。もちろんヘタじゃないんだけど、演技よりも存在感で押すタイプっっていうの?
まあ、道っぱたを歩いていた当時美大生の彼を、クラピッシュが惚れ込んでスカウトし無理矢理出演させたっていう経緯を知れば納得なんだけど。

それがね、いつの間にかとんでもなく男臭いいい役者に成長していて…。
しかもそれが骨太フレンチ。優男フレンチじゃないの。

いいフランスの役者ってのは、イギリス、ましてやアメリカの役者にはどうしても出せない何かがありますね。あれって何なのかしらねえ。

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